(一社)日本基礎建設協会
(一社)コンクリートパイル建設技術協会
安全で豊かな国民生活を支える土木・建築構造物等の機能及び安全性を確保する上で基礎構造は、最も根幹的に重要な位置付けにあります。基礎は地中に築造されることから完成後には不可視であり、基礎の施工については、より厳格な施工管理・品質確保が求められます。このため、良質な基礎構造物を建設することは基礎の建設を担う者の社会的使命であり、その要請を十分に認識し的確に責務を果たして行かなければならないと考えます。
基礎は、上部構造物の荷重を地盤に伝える方式、使用目的、材料、施工方法等により分類されており、土木・建築・その他の構造物及び施工場所の地質・地盤等の条件に応じて、最適な工法が選定されています。
基礎構造物の施工にあたっては、専門的な知識・経験等の技術力を有することが認められた資格者(場所打ち杭については「基礎施工士」、既製コンクリート杭については「既製杭施工管理技士」)が施工管理等を行っています。
近年の建設分野における諸状況を勘案し、基礎構造に係わる課題等へのより的確な対応を図るためには、基礎の施工技術力の確保・向上、技術者の育成等が不可欠であります。このため、(一社)日本基礎建設協会(以下、「日基協」)と、(一社)コンクリートパイル建設技術協会(以下、「コピタ」)では、平成23年度に協議の場を発足し、専門技術的な観点から基本的・体系的かつ信頼度の高い技術者を確保する方策等に関して3年余にわたり、検討・調整を重ねてきたところであります。
今般、現行の「基礎施工士」資格における基礎の施工に関する専門的な技術内容の充実・技術範囲の拡大等を図り、より広範かつ高度な能力を持つ技術者資格として、「既製杭施工管理技士」を統合した新たな「基礎施工士」資格制度を、平成27(2015)年度より発足することを目標に以下の基本方針にもとづいて実施します。
(なお、今後、段階的発展を図りながら、将来的には基礎工法全体を総括した施工管理技術者の資格となることが、本来的、理想的な姿であると考えています。)
標題の件、概要は以下のとおりです。
1)資格名称:
新資格制度発足後、次の表記となる予定です。
新 資 格‥「基礎施工士」
既存資格‥
┗現:既製杭施工管理技士保有者⇒「基礎施工士(既製コンクリート杭)」
┗現:基礎施工士保有者⇒「基礎施工士(場所打ち杭)」
┗ 現:既製杭施工管理技士・基礎施工士両資格保有者
⇒「基礎施工士」
2)新試験:
平成27年度より実施予定(平成27年11月)です。
3)既存資格:
新資格発足より15年間(平成42年度まで)有効です。
① 平成28年度より15年間で新資格を取得しなければ、既存資格は失効となります。
4)移行措置:
新資格制度発足時、
① 既製杭施工管理技士と基礎施工士両方の資格保有者には、新「基礎施工士」の資格が付与されます。
② 既製杭施工管理技士・基礎施工士いずれかの既存資格保有者で、移行試験(新試験の指定部分を受験)の合格者には、新「基礎施工士」の資格が付与されます。
移行試験は、平成28~42年度の15年間実施します。
なお、平成28~32年度の5年間を資格取得のための奨励措置期間とします。
5)更新講習:
新資格については、平成32年度から実施します。
既存資格については、
①平成31年度まで、各協会が従来どおり個別に実施します。
②平成32年度からは新資格の更新講習を受講いただきます。
6)注意事項:
以下の項目にご注意ください。
① 既存資格者は、更新の当該年であれば、必ず更新講習会を受講して下さい。
受講しないで移行試験を受験し万が一、移行試験を不合格になりますと既存資格は、当該年翌年から失効します。
② 既存資格者の前年への前倒し講習は、平成27年度まで実施しそれ以降は廃止します。
【お知らせ】前倒し講習は、コピタホームページで平成28年度まで実施するとの記載がありましたが、平成27年度で廃止いたします。
③ 既存資格者は、移行試験または新「基礎施工士」試験いずれかを選択して受験することができます。新規の方は、新「基礎施工士」試験のみの受験となります。